はじめての赤ちゃんプレイ
【4】残業を終えて鶯谷へ向かう。降りてみて気付いたのだが、この街は新宿の歌舞伎町以上にイカれた街だった。北口を降りた瞬間からホテル、ホテル、ホテル。もはやどこに入ればいいのか分からない。見知らぬ地でおれは1人困り果てていた。まさにそんな時だった。ーーー関西弁のババアが現れたのは。
【8】嬢が来るまでの間、おれは暇潰しに事務古川さんのツイートを遡っていた。この人、今日もアイマスと声優の画像しかアップロードしてねぇ……。若干挟まるネタ画像に笑いつつ、現実逃避をしながら待つこと10分、とうとうチャイムがなった。おれはスマートホンを机の上に置き、覚悟を決めて起き上がった
【11】「赤ちゃんプレイコースで60分でお間違いありませんね?」(文字列にするとシュールだ)と彼女は続ける。「はい」と返して、部屋の入口でこれ以上話続けるのもアレと思い、とりあえず彼女には部屋に上がってもらい、おれは冷静になるべく部屋のソファに深々と腰かけた。目の前には鳥居みゆき似の美女。女性経験が年齢に伴っていないため、仕事以外で美人の前に立たされると何を話していいのか分からなくなるのだ。状況が全く呑み込めなかった。
【12】「あっ、アイドルマスター!」 聞き覚えのある単語に、おれは思わず顔を上げた。彼女は机の上に置いたおれのスマートホンを覗きこみながら目をキラキラさせていた。そこには事務古川のホームが、そしてアイドルマスターの画像がデカデカと表示されていたのだった。
【13】「赤ちゃんプレイが希望ということは、やっぱりあずささんが好きなんですか?」と嬢は続ける。なんなんだこれは。一体俺の身に何が起こっているんだ。状況を飲み込めないままおれは「アイマスは分からないけど、あずささんのエロ同人なら持ってます」と、キモオタ丸出しの返事をしたのだった。女性経験が年齢に伴っていないので。
【16】シャワールームを出て体を拭くと、嬢はまた優しく頭を撫でながらタイマーをセットし、「それじゃあ始めますね?」と言う。おれは嬢の顔に見とれながら、無言で頷くことしかできなかった。
【17】嬢に導かれて全裸で布団に入る。そこで着エロフェチであるキモオタのおれは「服、着てくれませんか…」と言った。嬢は苦笑いしながら「汚さないなら大丈夫ですよ」とOKを出してくれた。なんなんだこの嬢は。神か、いや、神の上か?
【18】嬢だけ服を着てベッドに入る。「赤ちゃんプレイと言っても色々ありますけど、どうしますか?」と尋ねられ、何もかも限界だったおれは「甘やかしてください」と即答した。すると嬢は「ふふ、可愛い子」と言っておれを抱きしめた。シャワーの時に気付いていたが、おっぱいが非常に大きかった。
【19】「ママのおっぱいが良い? それともだっこ?」との問いに「だっこ」とだけ答え、しばらくの間、「よしよし、いいこいいこ…」と頭を撫でられながら嬢の柔らかい体に抱きしめられていた。5分も抱きしめられていただろうか。おれは泣いていた。理由は分からないがボロボロと涙が溢れていた。
【20】嬢は泣いているおれに気付き、さらに強く抱きしめてくれた。「大丈夫、今はママがいますからね…」おれは無言で頷いていた。涙で服が汚れてしまうのも構わず(というかこの時点でボロボロ涙がブラウスに零れている)、嬢はおれを抱き寄せ、しばらく抱きしめ続けてくれた。おれはもうこの時点で十分満足していた……
【21】「じゃあそろそろおっぱいにする?」またもおれは無言で頷く。既におれは無言で頷くだけのマシーンと化していた。嬢は服をまくり上げ、豊かな胸をさらけ出した。おれはボロボロと涙を流しながら巨大なおっぱいにむしゃぶりついた。
【22】「赤ちゃんはそんなエッチな吸い方しませんよ?」嬢はおれを抱きしめ、おっぱいを吸われながらも微笑んでいる。おれは舌を使うのをやめて、チュウチュウとおっぱいを吸うスタイルに変更した。嬢はそれに気が付いたのかそこから先は無言で頭を撫でてくれていた。
【23】「あれ、こっちが大きくなってるよ?」と嬢に言われ、おれは初めて自分が勃起していることに気付いた。「赤ちゃんなのにここはおっきくなっちゃうんだね~」といじわるな声音で嬢は続ける。そしてその手がこちらのペニスに伸びてきた。
【26】気付けばおれは泣き止んでいた。嬢はただ優しくおれを抱きしめ続けていた。しばらく続いた無言ののち、「元気になった?」と嬢は言った。おれは「うん……」と小さく頷いた。嬢はにっこり微笑みながら、おおきなおっぱいをこちらに差し出してきた。おれは身を任せて再び授乳に専念した。
【29】ほっぺた、額、首筋と嬢はキスを続ける。その間もこちらの頭を撫で続けている。その献身的な姿に、おれは知らないおかあさんを感じていた。「おかあさん……」 俺は無意識の内に、そう口にしていた。嬢はこちらに向き直りながら、「うん……、おかあさんだよ」とだけ言い、再びキスを続けた。
【30】どれくらい時間がたっただろう。ピピピ、というアラーム音が鳴り響く。「時間になっちゃったね」と嬢は言った。おれは少し名残惜しかったが、嬢の体から離れた。するとこちらの気持ちを察したのか、嬢は「もうちょっとだけ、いいよ…」と言っておっぱいをはだける。おれは、おれは…
【31】おっぱいを吸い続けていると、今度は嬢の携帯の着信音が響き渡った。「うわ、またやっちゃった。怒られる……」 嬢はそっとおれの身体から離れると電話に出て、二言三言会話をすると、携帯を置いて残念そうな表情でこちらに振り返った。「ごめん、終わりにしろって」
【32】「いや、こっちこそ時間終わってたのにごめんなさい…」とおれは謝った。嬢は微笑みながら、「いいのいいの、私たまにやっちゃうんだ」と言った。
【34】最後に嬢は「おうちは東京? 1人暮らし?」と聞いてきた。おれは「新宿区で、一人暮らし」と答えた。「それならデリバリーもやってるから、たぶんホテル代より安くおうちに行けるよ」と教えてくれた。「呼ぶ…」とだけおれは答えた。
【35】嬢は微笑みながら、「今度はゆっくりアイマスの話をしようね」と続けた。おれは首を縦に振った。私、アイマスは分からないけど、きっと覚えます。嬢は部屋を後にする。おれはしばらく無言でベッドに横たわり余韻に浸っていた。赤ちゃんプレイ、最高すぎる……