小汚いオカマ日記

当ブログでは『オカマ』という単語を使いやすさの都合上、本来の意味での「オカマ」とは別の多義語として使用しています、ご注意ください。

「おっさん化の恐怖」から2ヶ月ナンパスポットに通った話

突然ですが、皆さんはナンパをしたことがありますか?

 僕にはありません、何故ならオタクなので。不純というか「ナンパで捕まる女なんて大した女じゃない!」と思ってるわけじゃないですか。にも関わらず、街中で可愛い女の子と笑顔で手を繋いでいる男を見ると内心忸怩たる思いを抱いて溺死しそうになるじゃないですか。

俺だって可愛い女の子と手を繋ぎたいんだが?

地獄絵図

 根拠もなく「ナンパ(オフパコ)出来る女なんて大した女じゃない!」と思い込むことで、自分のちっぽけなプライドを守っているんですね。本当は俺だってモテモテになりたい。 今回はそう考えるようになった経緯などから書いていこうと思います。

【はじめに】人生のスランプに陥るオカマ

 小汚いオカマです。人生のスランプに陥って半年以上何も書く気力が起きませんでした。リハビリも兼ねての執筆なので、ですます調とか気にせず書いていきます。自分で言うのもアレなんですけど、俺は今までの人生で多少なりとも特殊な経験をしてきたつもりです。

赤ちゃんプレイ風俗嬢にロリータ女装沼に落とされたり、

それでロリータ服来て電車に乗ったらオッサンに痴漢されたり、

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婚約者に家財持ち逃げされたり、色々なことがありました。

 それに比べて、ここ数年の俺は自分でもビックリするくらい「普通のオタク」として過ごしていました。毎日働いて賃金をもらい、余暇はアニメやゲーム、Twitterをぼんやりと眺めるだけ。

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フェミニストの襲撃を受けて永久凍結されて久しいです(1万人のフォロワー返して?)

 代わり映えの無い日々に、自分が腐り落ちていくような漠然とした不安。だからと言って喫緊の不安が無いから何の行動も起こさない。

 この「漠然とした不安」って誰にでもあって、それを抱えたまま俺もおっさんになってしまうのではないかという焦りがありました。

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ちなみにこれは顕在化した恐怖 

 今回の記事ですが、毎度のことながら長文になってしまったので「もくじ」を付けます。

  

 

 

もくじ 

なげーよ!!

 はてなブログの目次機能を使うのは2回目なんですが、また勝手に項目が増殖するバグが発生した(何もしてないのにパソコンが壊れた理論)だけなので僕は悪くないです。馬鹿の話は長いと言いますが今回も最後までお付き合いください。

バカの話は必ず長い (宝島社新書)

バカの話は必ず長い (宝島社新書)

 

私は馬鹿です

現代の魔女狩り『おっさん差別』への恐怖 

近年の日本は『おっさん差別』が熾烈を極めている。

 オッサンは臭くて、無遠慮で、生理的に不快で、時代遅れの古い価値観で塗り固められた老害だから火炙りにしても構わない。社会全体が「オッサンは石を投げ付けて良いもの」と認識して、正義棒を持っておっさん叩きをしている。インターネットはゴルゴダの丘

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男女逆だと反応も逆になる例

 俺だって電車に乗った時、隣に小太りで腹の出た息の臭いオッサンに立たれると最悪な気持ちになる。現に最近Twitterで限界おじさんを火炙りにしちゃったし……  

 

 

おはようございマントヒヒって何だよ


 文章全体から伝わってくる不快感に思わずdigしてバズるよう体裁を整えたところ、リプライ欄に地獄が顕現しました。ベルセルクの『蝕』。オッサンへの正義の執行は、止まらないところまで来ていることを身を以て実感しました。

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語彙が増えたsyamu

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こっちはテコンドー朴のオッチャン

新しい何かに挑戦しない限り、待っているのは老害化だけ

 俺は「オッサン」になりたくない。でもこのまま何もしないと間違いなく「オッサン」になってしまう。無い頭を捻って色々考えたけど解決策が見つからなかったので、よく考え方・思想とかの話をする同僚の松野さん(仮)にこの件を相談した。 

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いらすとやってマジで何でもあるな……

『所謂「おっさん」っていうのは、思考停止した老害のメタファーなんだよね』

『特効薬は無いから、思考停止をせずに自分の中の「おっさん要素」を見つけて1つずつ潰していくしかない』

『私から見たオカマさんは「女性関係」になると思考を停止しているように感じる、過去の痛い経験もあるのは分かるけど』

『だったら、今まで否定してきた男女の在り方についての固定観念を取っ払ってナンパみたいなことをやってみるのも面白いかもね』

 

『ナンパ』

 

新しい挑戦は『ナンパ』に決定

 皆さんはナンパしたことがありますか? 僕にはありません、何故ならオタクなので。不純というか「ナンパで捕まる女なんて大した女じゃない!」と思ってるわけじゃないですか。にも関わらず、街中で可愛い女の子と笑顔で手を繋いでいる男を見ると内心忸怩たる思いを抱いて溺死しそうになるじゃないですか。

俺だって可愛い女の子と手を繋ぎたいが?

 根拠もなく「ナンパ(オフパコ)出来る女なんて大した女じゃない!」と思い込むことで、自分のちっぽけなプライドを守っていたわけですね。俺だってモテモテになりたいんだわ。

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ADHDを自称して無の内容を一生発言し続けてるオタクでもオフパコをしている

 確かにありました、僕の固定観念。知りもしないナンパ世界のことを一方的に悪だと決めつけて遠巻きに石を投げ続けていました。

「ナンパについていく女は本当に馬鹿なのか」
「ナンパ師たちは実際にどのような活動をしているのか」

 何も知らずに嫌悪していた世界に飛び込んでみようと決めました。思えば、本当に未経験の世界に足を踏み入れるのは何年ぶりのことでしょう。でも、やると決めたからにはしっかりと挑戦しなければ意味がありません。リリカルマジカル頑張ります(老人)

【1】最初の1週間は座学

  で、いきなり困ったのがどのように「ナンパ」を学べばいいのかということだった。オタクなので準備だけはしっかりして行こうと思い、インターネットや書籍で「ナンパ」について調べまくった。

 

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noteの胡散臭い有料ナンパガイド 

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約束のネバーランド(なんで?) 

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エロマンガのタイトルかな?

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は?????

エロマンガが、5万?!

情報量が多すぎる(物理)

 

 これが第一の関門だと思った。落ち着いて考えてみれば、人間の三大欲求である「性欲」に直結した情報が氾濫するのは至極当然のことだった。そう、俺はいきなり情報量の壁にブチ当たってしまったのだ。

 悩みに悩んだ末、俺は「確からしい情報」を手探りで探すことにした。右も左も分からないなら「数字が取れているもの」「エビデンスがしっかりしているもの」を選ぶ他ないと考えた。

ザ・ゲーム 退屈な人生を変える究極のナンパバイブル (フェニックスシリーズ)

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2012年のベストセラー「THE GAME」

恋愛工学で有名な藤沢数希のメルマガ

ぼくは愛を証明しようと思う。 (幻冬舎文庫)

ぼくは愛を証明しようと思う。 (幻冬舎文庫)

 

上記恋愛工学の抜粋を小説に落とした「ぼくは愛を証明しようと思う。」

ニコニコ有料会員登録者数1位メンタリストDaiGoのラジオ(500円)(クソでした)

進化心理学から考えるホモサピエンス 一万年変化しない価値観 (フェニックスシリーズ)

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 「生物としての雄と雌」を学ぶべく進化心理学の入門書(単純に面白い)

 とりあえずこの辺りの本を買って読み漁った。どれが1番役に立って、どれがクソだったのかは後述。既に1つクソって書いちゃったけど……

 これらを読みながら、新宿のナンパスポットに「ナンパ師の見学」のために1ヶ月近く張り込んだ。完全に不審者である。

【2】座学の次は、ナンパスポット見学へ

 新宿南口の日曜16時、路上ライブの隣で「THE GAME」を読みながらぼんやりと人混みを眺めていた。とにかく人の数がすごい。とりあえず来てみたものの「これだけSNSが流行ってる現代に街中でナンパしてる奴なんていないだろう」と最初は考えていた。

 

しかし、その考えは見事に打ち砕かれる。

 

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ナンパしてる奴、結構いる!(写真からは伝わらない残念感)

  日常的にナンパの対象となる女性と異なり、俺はナンパというものが現実に行われている事実すら認識していなかったことを痛感した。「人間は見たいと思っている事実しか認識しない」というガイウス=ユリウス=カエサルの名セリフを知らないのかよ?

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東南口も結構すごかった

 kindleを閉じて、とりあえず様子を見たり近付いて会話の内容を聞いたり、マジモンの不審者一歩手前のムーブをしている内に1日が終わった。

 平日は労働があるので、家に帰ったら読書と前回見たナンパ師の行動を思い出してメモ。次の土曜日、今度は夜の新宿で東南口とALTA前に張り付いた。こんな感じで1週間に2~3時間程度、ナンパスポットをウロウロしてはメモを取りつつ恋愛工学書とにらめっこを1ヶ月続けた。

 結構時間を使ったけど、「散歩のつもりで2~3時間歩いた」と考えれば、家で無為にゴロゴロしているよりは新鮮な経験が出来たかなーと思う、未知との遭遇は楽しかった。

【3】現場を見て初めて分かったこと

ナンパに失敗する人・成功する人

 1ヶ月も観察していると「あ、この人は結構ナンパの成功率が高いだろうな」という人が感覚で分かるようになってきた。ヒットレシオというのだが、何人に声をかけたら何%が立ち止まってくれるか、というやつだ。

単刀直入に言うと「服装」が全てだった。

 

:ナンパに失敗する人:チャラ男

 ナンパに失敗する人、それはチャラ男である。より正確に言えばホスト崩れみたいな格好をした男はナンパで声をかけても全戦全敗、完全に女性から無視されていた。あと7割くらいクロムハーツの指輪とか付けてる。

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大体こんな感じ 

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目に黒線入れると誰でもARuFaくんに見える説ありませんか? 

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関係ないけど「チャラ男」でググると小室圭が出てくるの何とかした方がいいと思う。

 ホストのキャッチと間違えられるからか、それとも生理的に受け付けないのかはともかくチャラい格好をした男は99.9999999999%無視をされていた。諸行無常。小室圭ってスゲ~!

:ナンパに成功する人:キレイめファッション

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 「キレイめ 男性」で検索したら一番上に出てきた(照)

  「何を当たり前のことを……」と思うかもしれないが、一番成功していたのは↑みたいなファッションの男だった。パッと見て普通そうな男に話しかけられると、とりあえず振り向く女性が多かった。警戒心が薄れるのか「はい?」と返事をしてしまう。運が良ければその後の会話に相槌が発生する。キレイめの匙加減も難しいと思うけど)

 そのうち立ち止まって会話が始まり、そのまま喫茶店へ、みたいな流れを何度も見た。「ナンパってちゃんと成功するのか……」と思ったのが最初の感想だった。ラピュタは本当にあったんだ的な。だってナンパが成功するのってAVの中の話だけだと思ってたし(性交だけに)(激ウマギャグ)

▼▼何故「当たり前」が分からないのか▲▲

 仮に、皆さんがナンパをするとしたら「チャラ男」と「キレイめ」のどちらの服装で挑戦するだろうか。普通に、一般的に、常識的に考えてみてほしい。

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キレイめな吉沢亮

 俺は圧倒的に「キレイめ」が多いと思う。これは単純に感性の問題で「チャラい格好でナンパしたら警戒されて無視される」みたいな想像をする前に「チャラ男は無理」という脳のフィルタリングが掛かるはずだ。ちなみに俺たちは吉沢亮ではない。

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チャラ男の吉沢亮

 では何故「チャラ男」の服装をしてナンパする人間がいるのだろうか、という単純な疑問に行き当たった。ちょっと考えれば分かりそうなものなのに、何故準備の段階で成功率を下げてしまうのだろうか。これは服装に限った話ではない。ここで、ナンパに挑戦する最初の関門は「準備の段階」から始まっているのだという仮説を立てた。

ネットには『ナンパ』の情報が溢れ返っている

 思えば、俺も「準備の段階」が一番苦労した。冒頭に書いた通り「ナンパバイブル」が世の中に氾濫しているからだ。

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は?(2)

 

 多い。あまりにも情報が多すぎる。書籍の方はブックオフで立ち読みしてみたけど、どれも同じようなことを言ってたり逆のことが書いてあったり無茶苦茶だった。メンタリストDaiGoのラジオに至っては「1+1=2」みたいなことしか言っていなかった。

溢れる情報の選別と自己判断が出来ず、何かを「盲信」する

 つまり、チャラ男は情報の波に溺れてしまうのだ。情報が多すぎて自分が正しいと思える情報にアクセスすることが出来ないのだ。だから思考停止して「信じたい何か」を盲信してしまう。だから有料noteが5万円で売れるのだ。万人に対して完璧なマニュアルなんて存在するわけがないのに、「皆が信じているこの人の言う事なら間違いない」と考えてしまうのだ。構造としては宗教と一緒、ちょっと怖い。

自己判断能力の欠如でPDCAサイクルを回せないから失敗する

 服装に限った話ではないが、上述の通りチャラ助には情報の成否を自分で判断する能力が無いとする。そして、ナンパには正しい(と考えられている)成長サイクルがある。

①:座学
②:実践
③:実践後の反省・改善
④:再チャレンジ

 気付いた方もいると思うが、これは単純なPDCAサイクルだ。最序盤の情報収集、座学の時点で道を間違えてしまえば実践が上手くいくはずがない。「情報の成否を自分で考える能力が無い人間」に問題点の洗い出しや改善をしろという方が無理な話だろう。

 どこの誰が書いたのか分からない「ナンパバイブル」という宗教を盲信してしまうことは簡単だが、それで上手くいく人間は稀だ。そして、ナンパの初期離脱率は95%を超えているという。100人が始めたら、95人は1日ナンパに挑戦しただけで諦めてしまうのだ。これには明確な理由があるのだが、それについては後述する。

【4】いざ、ナンパの実践

 ここまで考えるのに1ヶ月の見取り稽古と様々な本を読み漁った。いざ実践である。服装はUNITED TOKYOでいい感じの細身のシャツにスキニー買った。

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店員に勧められて買った(思考停止)

 飽きるほど通った新宿南口に、傍観者ではなくプレイヤーとして降り立った。15時、周囲にナンパ師はいない。いざ尋常に…… 尋常に……

 

 

「…………………」

 

 

  声が出せなかった。甲州街道沿いの歩道には若い女性がたくさん歩いている。手を伸ばせば届く距離にいるのに全く声を掛けることが出来ない。

お地蔵さんになる

 そう、俺は第1回目のナンパにしていきなり地蔵になってしまったのだった。『こんなに勉強してナンパ師の観察もしたのに?!』と内心で自分の気弱さに呆れていた。俺にはそもそも声を掛ける勇気が足りていなかった。何故ならオタクだから。

 

------30分経過------

 

 未だに1人に声を掛けることも出来ない。ワオワオ(?)である。本当にどうして良いか分からないかった。思えば初対面の女性と話すのは何年ぶりだろうか。

ペンは剣よりヒプノシスマイク(?)

 そうやってワオワオしていると、目の前にヒプマイの痛バッグを肩に掛けたお世辞にも綺麗とは言えないオタク女性(クソ失礼)がこちらに歩いてきた。もう声をかけるしかない、相手もオタクだし。ここで行かないと今日は無理だ! そう思って痛バッグ女性の前に出た。 

ヒプマイを知らないオタク、とりあえずこれ観ろ

 「こ、こんにちは!」
 「……」
 無視である。しかしここまでは予想の範疇だった。

 「それヒプマイだよね、俺も池袋ディヴィジョンが好きなんだ~」
 「……」
 完全に挙動不審になりながら、早足になる女性の歩幅に合わせて付いて行く。相手はもちろん無言である。ちなみに俺は男性声優オタクなので引き出しはインフィニティである。

 「一郎っていうか声優の木村昴が好きなんだよね! 声優好き?」
 「……」

 「あの……」
 「……ッ」

 女性は軽く舌打ちすると、小走りに去っていった。引き出しはインフィニティだった。引き出す暇も無かった。というか、そんなことよりこれは……

完全無視+逆100人斬り

 

完 全 無 視

 

 完全無視。そう、完全無視だった。「オタク女性なら行ける」と考えた20秒前の自分をブン殴りたかった。もしかしてナンパって想像の100倍修羅の道なのでは? 俺は一郎? いいえ、小汚いオカマです。1回声をかけると2回目はすんなり行って、最終的に100人くらいに声をかけて無事全員からシカトされ続けたのでした。おわり。

※ナンパの離脱率の高さの理由

 そう、上述したナンパの離脱率の高さは「無視される」ことが原因なのだ。心理学の入門書とかにも書いてあるんだけど、「他人に無視されること」は自己肯定感を下げるとても大きな要因の1つだ。

 

『無視=人格否定=自己肯定感の低下』

 

 簡単に言ってしまえば、95%の人間はここで心が折れるそもそも日常生活の中で無視されることに慣れている人は少ないのだから当たり前だ。ナンパという非日常とはいえ無視されるのはキツいのだ。5%の人間しか生き残れない程度には心に突き刺さるのだ。

 俺も例に漏れず心がバキバキに折れたわけで、次の日は横になって無になりながらファイアーエムブレム風花雪月をプレイしていた。とっても面白い。

息を吸うように広告を貼る

【5】実践後の反省と改善点の模索

 しかし、ここで止まったらジジイ化まっしぐらだ。俺はTwitter「#痛客のいる生活」ハッシュタグを見ながら、風俗嬢に晒されているオッサンを眺めて「絶対にこうはなりたくねぇ……」という強い思いを込めて前回のナンパの反省をした。結論はすぐに出た。

・目を合わせられない
・どもる
・すぐ諦める

 どの恋愛工学書にも「女性とは必ず目を合わせ続けること!」と書いてある。目を合わせ続けるのは自信の現れで、逆に言うなら「目が泳いでいる奴は女性に下に見られる」らしい。残りの2つとも、如何にもオタク~!という理由である。俺は二十余年付き合ってきた自分自身の「オタク・マインド」と向き合う日が遂にやってきてしまった。

修行フェーズ(週刊少年ジャンプ

 目を合わせる訓練は、意外にもオタクにとって身近な場所で出来た。秋葉原である。 

 秋葉原にはメイド喫茶のキャッチの女の子が無数に存在している。石投げたらキャッチに当たるレベル。普段は歩いてる時に唐突にチラシを出されてイラッとする存在だ。たまに忍者とかもいる。

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忍者、どういう需要なんだ……

  歩いてて気付いたのだが、彼女たちは呼び込みをする時に必ずこちらの目を見る。普段は反射的にスッと視線を逸らしてしまうのだが「逆にコレは良い訓練になるのでは?」と思って修行の場に秋葉原を選んだ。何を言っているのか分からないと思うが、俺も最後までよく分からなかった。

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は?

  大通りを往復し続けて、ひたすら声をかけてくるキャッチの女性と目を合わせ続けた。これは案外簡単だった。相手は仕事で客引きをしているので、目を合わせたところで何も言われる心配が無かったからだ。

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秋葉原、もう風俗街って感じですよね

 その次は日常生活、たとえば電車の中で綺麗な女性と目があった時にすぐ逸らさないように意識した。こっちは慣れるのがメチャクチャ難しかった。未だに逮捕されるんじゃないかと思ってる。それから「どもり」と「すぐ諦める」は初回ナンパの緊張や未経験がデカいと思って対策をしなかった。時間は有限なので他の対策に使おうと思った。

▲▲恋愛工学:理性のハッキング▼▼

 恋愛工学の基本に「思考が回っていない混乱状態は、理性が無くなって男性の誘いに乗りやすい」というものがある。

 「混乱状態」って書くと難しいけど、一番分かりやすいのが「泥酔」、つまり酒に酔ってしまえば彼氏がいても他の男に股を開きやすくなるということになる。

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 「彼氏がいる女性を落とすには『言い訳』を作ってあげればいい」とかよく言いますよね。でも理由なんて何でも良いみたいで「男の方から誘ってきた」とか「いつもよりお酒を飲んでしまったから」みたいな、それは本当に言い訳なのか?ってレベルの適当な理由さえあれば、あとは脳内で自分に都合の良いように「不可抗力だった」「だから自分は悪くない」と変換してくれる素敵なシステムが人間には備わってます。

 こうやって理性をハッキングすれば「ヤリモクは無理」「彼氏いるんで……」という女性とも仲良しこよしできる、というのが恋愛工学上の考えだ。そして目標の設定は「ぼくは愛を証明しようと思う。」を参考にして、以下の通りに。

第一目標:ナンパして喫茶店へ行く。
第二目標:喫茶店を出たら手を繋ぐ。
最終目標:手を繋いだら雰囲気を見てキスをする。

 ぶっちゃけ本を読んでいる時は「初対面で手を繋ぐとかバグか?」とか「その上にキスをするってエロマンガの世界観だろ……」と思っていた。でも教科書に出来るって書いてあるからやってみるしかない。

 ちなみに「セックスは目標に無いの?」と思うかもしれないけど、交尾は色々とリスクが高すぎるから。おれはリスクヘッジの出来る大人です(?) 

【6】目標を定めて2回目のナンパへ

狙いは「疲れてそうなOL」

 理性のハックとはいうものの、正直今の俺のトークスキルでは相手の思考を乱すことが出来ないと考えたので「疲れてそうなOL」を狙うことにした。色々バレるのが嫌なので詳しくは書かないが、オフィス街のコンビニ前、土曜日の19時から第二回目のナンパを実行することにした。

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労働を舐めるな

  コンビニ前を戦場に選んだ理由は単純で「休日出勤して夜遅くにエナジードリンク買ってるOLは疲れているに違いない」と考えたから。そもそも表情だけだと疲れているか分からないんですよね。日本人はみんな疲れた顔をしてるから。はい、主語がデカい。

 ちなみに「エナジードリンクを購入するOL」を選んだのにはもう1つ理由がある。
今回女性に話しかける言葉は「お疲れ様、まだお仕事中ですか?」に決めていたのだ。

 相手に自由意志を介在させることなく「はい/YES」と回答する質問を振ることは、恋愛工学上「反射行動によって理性を抑える」点で非常に有効らしい。

 「仕事中なんて見りゃ分かるだろ」と言われてしまいそうだが、そんなことは関係ない。難しいことを考えるより「YES」と言ってしまう方が簡単なのだ。

 スーツ姿で夜のコンビニに来てエナジードリンクを買う女性は間違いなく疲労+仕事が残っているはずなので、「疲れていて理性が抑えられている」+「必ずYESと答える質問がある」の2点から決定した。理詰めで考えた後は実践あるのみ。前回の逆100人斬りは忘れて、また挑戦してみよう。

「お疲れ様、まだお仕事中ですか?」

 オフィス街のど真ん中を選んだので、土曜なのにスーツを着ている客が多かった。10分くらい待つと予想通りエナジードリンクを持ってレジに並ぶ見るからに疲れ果てたOLが現れた。

「お疲れ様、まだお仕事中ですか?」

コンビニを出るところを見計らって声をかける。怪訝な顔をしながら「んー」などと唸っているが、明確な無視では無かった。
エナジードリンク買ってるってことは疲れてる?」
………まぁ」
相変わらずの表情だけど、返事が帰ってきた。理性のハッキング、マジですごい。
「じゃあ乾杯しませんか、僕もエナドリあるので」

用意しておいたモンスターを差し出して乾杯を促す。「はぁ~……」とため息を吐きながらも、女性はレッドブルの蓋を開けて缶をこちらに差し出してきた。

 カン!とお互いの缶を合わせる(激ウマギャグ)
 一口だけ煽ってから「これから少しだけ喫茶店でお話できませんか? 10分だけ、1杯奢るから」と誘ってみる。

「いやごめん、マジで仕事終わらないから……」
「じゃあ連絡先交換しませんか? 今度お休みに飲み誘っていい?」
「めんどくさい~」
「面倒臭くない~」
「え~……」
 モゴモゴ言っていたけど何とかゴリ押して、何とかその場でLINEを交換できた。そして会社に戻る彼女の背中を見送った。俺が言うのもアレだけど、メチャクチャ疲れ果てた顔だった。今日、土曜日なんスけど……。ナンパ中に、現代社会の闇を見た。(ちなみにLINEは即ブロされました) 

  前回は完全無視だったのに、今回は会話が成立(?)どころか連絡先まで交換できてしまった。そのままコンビニの前でエナドリを買う女性に片っ端から声を掛けた。 

 「お疲れさまです! まだお仕事中ですか?」

 当然、無視もあった。だけど確実に前回の逆100人切りに比べれば感触が良かった。概ね反応がある。ノリの良い(ヤケクソな?)女性はその場ですぐエナドリの「乾杯!」が出来た。俺はぬるくなったモンスターをちびちびと飲んでいた。

 途中からは完全に作業ゲーとなり、ひたすら「まだお仕事中ですか」botと化した。それでもまぁ、無視はそれなりに心に響くので努めて無心になりながら声をかけた。2人だけ喫茶店に行って軽くお話できたが、疲れ果てていたので何を話したのか覚えていない。

▲▲恋愛工学:絶対に格下に見られてはいけない▼▼

 ナンパを含む、男性から女性へのアプローチは「女性から格下に見られた瞬間」に全てが終了する。

①:相手を褒めない

 会話が始まった後は絶対に相手を褒めてはいけない。褒めない範囲で、会話を楽しんでもらえるよう最大限の努力する。相手を褒めずに会話だけで笑ってもらうのは本当に難しい。プロナンパ師ってこれどうやってんの? これは実生活にも活かせるテクニックだと思った。格下に見られてはいけないとは言え「社会的地位や年収・学歴、美醜マウント」は相手を不快な気持ちにさせてしまう。やったら死ぬ。 

イキり過ぎて一生インターネットの晒し者になってしまった人

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ルーブル美術館に展示すべきツイート

②:軽く女性をディスる

 これはどの恋愛工学書にも書いてあるのだが、いざ挑戦すると匙加減が難しかった。女性の気分を害さない程度にディスるのは非常に重要だ。ディスられてしまうと、生物の本能として「目の前にいる男の方が自分よりも上位の存在である」と錯覚してしまうのだ。これもまた理性のハックである。

これは匙加減を間違えたディスです

③:奢るのはコーヒー1杯まで

 飲みとかディナーとか、それこそホテルとか、奢ったら終わりだ。お金を多く払った時点で「あぁ、コイツは私のために金を出す男なのだ」と認識される。もちろん多くの反論もあるだろう。 

「俺、今の彼女には飲みとか奢ったけど付き合えてるよ^^」

「お金とか関係なく、人間的魅力で彼女出来るからw」

でもそれ、結果論なので…… 

 上手くいった話をするのではなく、上手くいくためにどうすれば良いかを学ぶのが「恋愛工学」だったので、他人の成功体験談は見ないことにした。

閑話休題:男女の生涯未婚率の差

 ここを詳しく説明するとそれだけで原稿用紙20枚くらいになりそうなので、可能な限り単純化して説明しようと思う。今回の趣旨はエビデンスの提示では無いから簡潔に!

 結論から言えば、「自分より立場が上に見えて、他の女性からも狙われている男」がモテる。前者は先程解説したので、1つの例として日本の男女別の生涯未婚率を例にしよう。総務省国勢調査のグラフは以下の通り。 

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最後の国勢調査が4年前なのがちょっと残念

女性 14.1%
男性 23.4%

  男女比がおかしい。男女がそれぞれ100人ずつ居る世界だと仮定すると、女性は86人が結婚を経験し、男性は76人しか結婚を経験しない。10人の差、これはどこから生まれるのだろうか。

モテる男がモテ続ける

 答えはもちろん「複数回の結婚を経験する男性の存在」である。これによって女性の結婚経験者が増え、逆に男性は減っている。

 数字から分かる単純な事実として「別の女と離婚した男性」は結婚相手に選ばれやすい傾向がある。未婚の男より、バツイチの男性の方が生物として魅力的に映るのだ。だって他の女が選んでるから。他の女が選んでいるということは「優れた雄である可能性が高い」と本能的に判断してしまうから。これも理性のハックの一種である。

日本の離婚率は35%

 ちなみに現在日本の離婚率は35%。10組に3組は離婚している。上記グラフの試算からも分かるように、生涯未婚率の差はますます開いていく。賃金格差が広がり、子供を養うことが出来ないと判断された下位の男は結婚すら出来ない、という未来が提示されているわけだ。 

総務省の統計、パラパラ見るだけでも面白いです

  俺はこの科学的考証にハマってしまった。めっちゃ面白い。恋愛工学ではなく進化心理学の分野として、単純に面白い。今まで理不尽だと考えていた男女の問題が「生物として仕方ない行動」と考えれば諦めが付く。

 そりゃあ俺は家財を持ち逃げされるわけだ、不倫されるわけだ。何故なら他の女に必要とされない、雄の魅力が皆無なオタクだから仕方無かった。割り切ることは出来ないけど、自分への慰めになったのも悪くはないと思った。悲しいんだけど……

【7】ゲームのレベルアップ感覚

ナンパは数を撃てば当たる

 ある程度の体裁を整えると、ナンパは数を撃てば当たるということが分かった。声のかけ方とか、どういう風に話すとかは藤沢数希のメルマガのバックナンバーとかを参考にしつつ女性のパッと見によってぼんやりとパターン化した。

 ナンパがヒットするようになると、嬉しくなってさらに心理学の勉強をする。勉強をすると新しい技術を見つけてもっと挑戦してみたくなる。ゲームのレベル上げみたいな感覚が楽しい人間には合う分野なのかもしれない。ナンパはPDCAサイクルが早いのでフィードバックが簡単だ。

 俺はブログでPVを取ったり、Twitterのフォロワーが増えたりすることに喜びを感じるタイプの人間なので、ナンパのレベルが上がっていることもゲーム感覚で喜ぶことが出来た。ここらへんは向き不向きが大きいのかもしれない。

ゲームのレベルアップ感覚

 とりあえず声をかけて、上手く行けば喫茶店まで連れていってお話できるようになった。お店を出るタイミングで「手、繋がない?」と誘ってみると彼氏がいる女性からは「え~、彼氏いるし……」と言われる。「彼氏いると手繋げないの? 純情すぎるでしょ」という風に軽くディスると大抵その場で手を繋ぐことが出来た。手を繋いでから、軽く散歩して良い感じの雰囲気になったらキスをしても良いか確認する。

「キスはちょっと……」

「じゃあ頬は?」

「え~……」

「手!」

「まぁ手なら……」

  「無理のある条件」を先に出して「本命の条件」を飲ませる、ドア・イン・ザ・フェイスとか色々試してみた。最終的に手を繋ぐのは簡単に出来るようになって、キスはかなり難しかった。ちなみに、人間は好きになった異性とキスをするのではなく、キスをした異性のことを好きになるらしい。風俗でガチ恋客が増える理由も分かった。

高須クリニック、もはや謎の組織だろ……

 池袋でナンパをしている時に調子に乗り過ぎてハマの女を煽ってたらブチ切れられました。本当にごめんなさい。ちなみに僕は池袋ディビジョンです。  

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ブクロだけど斉藤壮馬くんのトークイベント(新宿開催)には行きます。

【終焉】心の中にtehuが生まれる

 上記のようなナンパの成功例を写真付きで見せつけられるとどのような気持ちになるでしょう。少なくともナンパを始める前の俺は「早く死ね」と思ってました。それを踏まえて問題です、「今まで女性との関わりが希薄だったオタク」が急に女性と絡めるようになったらどうなるでしょうか。 

正解は「急にイキり散らかし始める」です。

 恋愛工学を勉強してナンパを始めた当初は、タイムラインに特に何かを発信することもなく黙々とナンパに挑戦していた。それが少しずつ上手く行き始めると、自分の心の中に「tehu」が生まれ始めた。 

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自慢したい。俺はお前たちと違う。努力で上手く行ったッ!

  「俺は価値のある人間だッ!」というアピールがしたくてしたくてしたくてたまらなくなってしまったのだ。自分の中のtehuはどんどん大きくなっていく。一度心の中に生まれてしまったtehuに抗うのは大変で、少しでも気を抜くと生来の陰湿なオタクの本性である「イキり心」がムクムクと心の中で肥大化し始める。そもそも俺は自己肯定感が低いくせにプライドだけ高いという典型的なオタクっ子なのだ。そうじゃなかったらロリータ着て自撮りをしてインターネットに放流したりしてない。

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あ、僕の"済み"でもよければ、という条件付きですが…(声に出して読みたい日本語)

  最終的にタイムラインに何枚か「ナンパ成功」という写真を貼ったところで後悔して、一刻も早くtehuを焼却炉に放り込まなければと思った。また違う分野の勉強に移らないと、tehuに自分自身を食い殺される恐怖があった。一歩以上に間違えれば友達も失うし、何なら失ってるかもしれないし、これ以上制御不能な自分を放置し続けるのは危険すぎると長いインターネット生活から来る激ヤバセンサーが警鐘を鳴らしていた。

終わりに

 本当に久しぶりにブログを書いた。「この広告は一定期間更新されていないブログに表示されます」っていうの表示されてたし。取り急ぎブログを書けなかった間に自分がチャレンジしていた内容について書きなぐったし、自分の引き出しを増やすことの楽しさを学んだので、また目標を決めて色々やってみようかなと思う。あと、自分の中のtehuにだけはこれからも負けないように気張っていきたいです。

 今回はすごく頑張って書いたけど、凍結してからTwitterの方が伸びなくなってるのは悲しい。「いや、全然辛くないっすわw」みたいな照れ隠ししないで悲しいことは悲しいってちゃんと言えるようになってよかった。おわり。